8月 2011

リアス式の海岸線の高台にある鮪沢児童館は、以前は保育所だった建物を利用した
施設です。館から見える海の景色は抜群。津波の影響がないままだったら、磯遊び、
釣りなどを楽しめる、長閑な避暑地といった雰囲気をもった場所でした。


当日は、8月とは思えぬほどの涼しさで、ワークショップも自然の風が心地よく吹き
抜ける部屋で、思い思いのハッピードールづくりを楽しむことができました。
大人グループは、手芸の本に載りそうなほどの、きっちりとした作品づくり。
型紙こそ使用しませんでしたが、布地に下描きをして、ステッチも完璧!
という仕上がりの完成度の高い作品ができあがりました。
こちらは、津波で家を流された方もたいへん多い地区とのこと。大人の女性たち
は、まるで日常の延長上のようにテーブルをかこみ、和気あいあいと話に花を咲かせつつ、
チクチク作業をエンジョイしておられたように感じられました。


子どもたちも、自分がイメージしたものを、さわることができる『モノ』として
つくりあげる時間を楽しんでいただけたように思います。
プロジェクト終了近く、参加者の方々が、何気なく使った布地などを
片づけていかれる姿などを見ると、年齢層が違う家族が一緒に暮らしている環境だと
伝わる土地柄を感じずにはいられなかったスタッフでありました。

written by 宮城現地スタッフ Osamu & Satomi

摂氏34度の暑さの中、エアコンなしの遊戯室での「オリジナルうちわづくり」の
ワークショップ。
大人たちが汗だくだくでへこたれる中、しかし、バッテリー満タンの子どもたちは元
気いっぱいです。


何描こうっかな~

8月5日、仙台では七夕前夜祭の花火大会があったばかりだったので、題材は「花
火」や、夏らしい「スイカ」「金魚」「雷」などをモチーフに選んだ子どもたちも多く見
られました。
もちろん、人気の「ワンピース」や「ポケモン」のキャラクターを描く子も多く見ら
れた次第。
しかしなかには、漢字をモチーフにした“和”テイストのモダンな作品や、色彩構成
のようなあでやかな作品、戦艦を丁寧に描いたものなど、わたしたち大人が見ても刺激
的な、アートなうちわもたくさん出来上がりました。


画材の特性を活かした手法を見つけたり(油性のクレヨンの上に水彩で描く技な
ど)、失敗した部分をなんとか補おうと工夫をこらしたり(猫の目玉を水彩で描くのに失敗
し、その後そこに別に描いた目玉を貼り付けるなど)、それぞれに考える時間でもあっ
たようです。


くらくらするほどの暑さのなかでのワークショップだったのに、片づけ終わった遊戯室では、すぐにバスケットボール遊びがはじまり、子どもたちの力強さを実感した真夏のワークショップでした。

written by 宮城現地スタッフSatomi

8月3回目の活動は山梨県河口湖にて被災した相馬、南相馬の子どもたちを招待して行われ
ているキャンプで、ハッピーペインティングとハッピードールを行いました。

このキャンプは代表の長尾清さんが、ボランティア活動の帰りに立ち寄った相馬の松川浦の状況に心を痛め友人と立ち上げたグループ「Soma relief 311 」と「清水国明  自然楽校」

の共催で行われており、第3回目のキャンプに私たちが御邪魔しました。
普段は被災地を車中泊などしながら渡り歩いている事も多いのに、今回は森林浴をしなが
らの活動で、しばしの癒しを私たちも味わいました。

伺った日はキャンプ開始からまだ2日目なのに、屋内退避地域から来ている子供たちは、
のびのびとテント生活になじんでいました。皆で助け合いながら上手に生活している様子が、うれしかったです。

18日のハッピーペインティングでは、いつもながら発散型の男の子たちが、足の裏の絵の具ニュルニュル感覚を楽しみ、絵の具合戦になる一場面もありましたが、3人の女の子たちは、最後までじっくり取り組み、きれいな色の大きな一枚の絵を仕上げました。

翌19日はハッピードールを午後に活動予定のところ、午前中のカヌーやソフトボールプロ
グラムに出かけなかった子どもやお母さまなどが、準備をしていた私たちのところに様子
を見に来て、結局午前中から物作り開始!一人の女の子は初めてボタンつけに挑戦したも
のの、どんどんコツを覚えて、午後、みんな一緒の作業の時には御隣の子に教えてあげる
ほどに上達!一人で五つもの作品を仕上げました。

上手に針を使う子に、「上手だね、前からやってるの?」と聞いたら、
「お母さんが刺繍をやってるから一緒に覚えたの。」
と返事をしたことねちゃん。最後に書いたお願い事カードには
「早くお外で自由に遊べるようになりますように」と書いてあった・・。

本当にそうだね。
このキャンプから帰ったら又屋内退避の日々。この子たちが自由に外に出られ
る日が早く来てほしい。

 

written by AFH事務局スタッフ Atsuko

« Older entries

ページのトップへ