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ARTS for HOPE in 陸前高田

 

砂に埋もれたひな人形。 壊れた確定申告の看板。 泥をかぶった卒業証書のケース、
3月で止まった献立表――。

陸前高田の街は、3月で時が止まっているようでした。

の日訪れたのは、避難所として使用されている中学校。
友達とお揃いの人形を作る子どもたちや、黙々と大作を作っている女の子、
小さなお子様を連れたお母さんたちと、たくさんの方がHappy Doll Projectに参加してくださいました。

途中で集中力が切れてしまって、投げ出しかけた子もいましたが、
友達と一緒に頑張って作ってくれて、
人形が完成したときには、ほっとしたような、照れたような、
ちょっとはにかみながらの笑顔をみせてくれたのが嬉しかったです。

1歳のお子様がいらっしゃるというお母さんは、
「娘を避難所にいる子どもたちが見ていてくれるから、ひとりでいる時間をつくれる。避難所にはたくさんのイベンターさんがくるから、おかしな話だけど避難所に来てからの方がいろんなことやらせてもらってます。」

と仰っていました。
この日も各所からたくさんのイベンターさんが来ていたらしく、
風船を持っている子やかき氷を食べている子などがたくさんいて、
校内はまるで文化祭のような光景でした。

人形を作っている合間に
「今日はこれをした」
「明日はあれをする」
「夏休みにはここに行きたい」
と楽しそうに話す子どもたちの目はすごく生き生きとしていて、
この子たちの時間はちゃんと前に進んでいる、決して止まっていないなと感じました。

参加された方の、
「津波が来る前の街に来ていただきたかったです」
と淋しそうに仰った言葉がとても強く心に残っています。

ここで知り合った子どもたちが大人になったとき、
前よりもっと美しい街が生まれることを祈りつつ、
陸前高田を後にしました。

 

左より 事務局Yuiちゃん、宮城チームリーダーのさとみさん、小関さん、 ボランティアのマイケル、Sayakoさん、Shigeちゃん

 

Written by ボランティアスタッフ Sayako

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