6月 2011

災害ボランティア住田町基地

もと小学校校庭はテントの花

昨晩の隣人はいびきが豪快

今回の活動で2晩お世話になったのが、
陸前高田市の災害ボランティア住田町基地である。
「被災地に光を 戦士に活力を」
入口左右には、こんなメッセージが大きく掲げてあった。

初日は全国から集まったボランティア諸氏で大混雑。
大船渡の活動を終えて、夜遅くに着いた我々に残されたスペースは無く、トイレと洗面所に通じる廊下で眠るよう、指示された。
しかしかなり冷える晩。「車中泊の方がずっといいなあ・・・。」と、がっかりしていたら、消燈後に談話スペース?に移動して良いとお慈悲あり。救われた。実にありがたい。

翌朝、同行者のゆいちゃんが、キラキラした瞳で耳打ちした。「まさこさん、お風呂があります。ぬるいけど入れます!」
わあ~!お風呂なんてうれしすぎるぅ!すぐ行こう!途中で行き交う人すべてに、元気な「おはようございます!」を投げ、ボランティア手作りのお風呂に入った。
かなりぬるい。・・・いや、むしろ寒い。だけど気持ちいい!ボランティアに来て朝風呂入れるなんて思わなかった。
でも、なぜみんな入らないのかしら・・・?

わがチームに戻るやいなや、非難轟々。
「お風呂入ったのお?いけないんだよお。信じられな~い。」「えっ。そうなの?誰もとがめなかったよお。」
どうやら夕方の1時間半のみ入ることが許されているらしかった。失敗、失敗。

住田町基地を後にすると、東松島市の子育て支援施設「ほっとふる」へ向かった。

震災後にここでスタートする「スマイルプロジェクト」の記念すべき第一回目にARTS for HOPEの「ハッピードールプロジェクト」が招かれたのだ。58人の参加者に施設職員6名と我々AFHが6名で、会場の部屋は満員御礼だった。

お母さんから離れない子どもも多いけど、まだ笑うことが難しい子もいるけれど、おしゃべりしながら、みんな夢中で作っている。

ここの利用者の子どもも何人か亡くなったらしいし、避難所にいた時の大変な体験談なんかも聞こえてくるけど、みんな前を向いて、一生懸命生きていることが伝わってくる

子どもたちはみんな、お母さんが作ったものが大好きだ。大事な、大事な、宝もの。
みんな、大事な作品を抱えて、晴れ晴れとした顔で帰って行った。

震災後3ヶ月くらいは、職員の皆さんたちも、泣いてばかりいたと話して下さった。

しかし、今はもう、この笑顔!拍手喝采を送りたい。

Written by Masako

うず高く積まれた瓦礫の山。
4階建てのマンションほどある。
泥まみれの更地が、すべての山の麓まで広がる。
海は雨にまぎれてグレーに滲んでいる。

しめやかな筈の海が、突然陸地にやってきた。街を消滅させ、人をさらって行っていった。

起きたことは、社会の常識とか、人間の理解をはるかに超えている。胸が締め付けられる、すさまじい現場。

陸前高田の避難所で突然1000食もの食事を朝昼晩作ることになった高田第一中学校避難所の河野さん。

自身が経営されていたお店も流され、母親を亡くし、その心の辛苦は計り知れない。だけど黙々と食事の準備をするその姿に励みを貰う。

俺が励まされてどうすんだ?
体を壊さないように、がんばり過ぎないようにと祈ってそこを去った。

東京に戻ってから、出会った彼らを思い出す。
被災者の影には、大きな痛みと悲しみが。
みんな身近で大切な人を亡くした人ばかり。

柔らかな日差しと、心地よい風に吹かれ、
何の不安もなく、穏やかな時間が流れている。

笑い過ぎて渇いた喉に、冷たい美味しい水。
そんなひと時が早い時期に彼らに訪れることを祈りたい。

written by マイケル

 

砂に埋もれたひな人形。 壊れた確定申告の看板。 泥をかぶった卒業証書のケース、
3月で止まった献立表――。

陸前高田の街は、3月で時が止まっているようでした。

の日訪れたのは、避難所として使用されている中学校。
友達とお揃いの人形を作る子どもたちや、黙々と大作を作っている女の子、
小さなお子様を連れたお母さんたちと、たくさんの方がHappy Doll Projectに参加してくださいました。

途中で集中力が切れてしまって、投げ出しかけた子もいましたが、
友達と一緒に頑張って作ってくれて、
人形が完成したときには、ほっとしたような、照れたような、
ちょっとはにかみながらの笑顔をみせてくれたのが嬉しかったです。

1歳のお子様がいらっしゃるというお母さんは、
「娘を避難所にいる子どもたちが見ていてくれるから、ひとりでいる時間をつくれる。避難所にはたくさんのイベンターさんがくるから、おかしな話だけど避難所に来てからの方がいろんなことやらせてもらってます。」

と仰っていました。
この日も各所からたくさんのイベンターさんが来ていたらしく、
風船を持っている子やかき氷を食べている子などがたくさんいて、
校内はまるで文化祭のような光景でした。

人形を作っている合間に
「今日はこれをした」
「明日はあれをする」
「夏休みにはここに行きたい」
と楽しそうに話す子どもたちの目はすごく生き生きとしていて、
この子たちの時間はちゃんと前に進んでいる、決して止まっていないなと感じました。

参加された方の、
「津波が来る前の街に来ていただきたかったです」
と淋しそうに仰った言葉がとても強く心に残っています。

ここで知り合った子どもたちが大人になったとき、
前よりもっと美しい街が生まれることを祈りつつ、
陸前高田を後にしました。

 

左より 事務局Yuiちゃん、宮城チームリーダーのさとみさん、小関さん、 ボランティアのマイケル、Sayakoさん、Shigeちゃん

 

Written by ボランティアスタッフ Sayako

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