3_ボランティアスタッフ

ボランティアスタッフによる活動報告です。

7/9(土)かしま保育園

初めて参加させていただきました。
今回のツアーでは7~8箇所の施設・仮設住宅を訪問しましたので記憶が混同しており情報が正確でなかったらごめんなさい。

私にとってそれ位沢山の刺激に囲まれた経験でした。

かしま保育園はとても新しく大きな保育園でした。
最初から「汚れてもいい格好で!」と保育士さんが指導して下さったのでしょう、我々が大きな紙を敷いて準備が出来たところに手をつないで現れたのはパンツ一丁の子供たち!やる気満々です(笑)。

元気にお絵描き、沢山の絵の具を手足、時にはうっかりお尻で伸ばしながらありったけの元気を大きな紙にぶつけてくれました。

そんなポジティブな子供たちの様子とは対照的に計画的避難準備区域の為、通学は車での送迎・マスク着用。かしま保育園も猛暑の中窓を閉め遠慮がちにエアコン使用。
本当は走り回りたいグランドには仮設住宅が並び、大きな真新しい体育館の片隅には灰色の空気清浄器が音をたてています…

この後20kmの立ち入り禁止地点まで行き、岸壁の林をかき分け、はるか先の岬の裏側に福島第一原発をわずかに目視した時に感じたのは、ただの虚しさでした。

参加させていただいて思ったのはこの地に住んでいる大人も子供もここで日常を送っているのだということ。
福島という地や色々な数字を想像だけでいたずらにタブー視するのではなく、あくまで現地の人々の状況・感情を第一に考えながら、今後の復興を見守り微力ながら応援し続けたいと思いました。

そして、福島の現実をわずかながら垣間見たからこそ、宮城・岩手のまた違う状況の被災地の姿も改めて見たい、と思いました。

大変貴重な機会を与えてくださった高橋雅子さん始め、ARTS for HOPEのみなさんに心から感謝致します。

次回からはマジックスポンジの持参と、インターチェンジは常に一般レーンを使ってくださいね(笑)。

また!

Written by ボランティスタッフ Shin

7月9日(土) 猛暑

南相馬市にある かしま保育園を訪れた。保育園の向かいは、仮設住宅が建ち並んでいた。
私は初めての参加ということもあり、またここまでの道すがら、各所に震災の爪痕を目撃していたこともあって、着いたときは緊張と少しの不安に包まれていた。

小さな体育館のようなワークスペース。

ペインティングのプログラムを始めるための準備として、床に白い養生シートを敷く。準備が整った頃、園の先生が20人の子どもたちを連れてこられた。
あとで伺った話だが、今日は土曜保育ということで、普段よりだいぶ人数が少ないらしい。通常は、0歳児を含め125人もの子たちをみているそうだ。

「こんにちはーーー!!!」
汚れてもいいように下着姿の子どもたち。そのとても元気で明るいあいさつにはっとして、私がはじめに感じていた不安がゆっくりと消えていくのが分かった。

それぞれ思い思いの場所にちらばり、つるつるにコーティングされた大きな紙を囲む。
子どもたちがクレヨンを手にすると、白かった紙がカラフルに染まるのはあっという間だった。 りんご、いちご、メロン、ウサギ、ウルトラマン、怪獣、お家、カミナリ雲、etc.…… 色もかたちもさまざまに、のびのびとした線で好きなものを描いていく。

自分で描いたウルトラマンの目を黄色で丁寧に塗っていた子に「それ、ウルトラマン?」と訊ねると、返事の代わりにニッコニコの笑顔をかえしてくれた。
またある男の子は家を描きながら「階段が3つあってねぇ、ここからこっちにワープできるの」「ここは行き止まりなの」「屋根とんがってる」「2階でねてるよ」と説明してくれた。
そうなのかぁ、とんがり三角屋根のお家カッコイイね。と私が言うと、横にもう一つ家を描いて、今度は更に鋭い三角の屋根を乗せてくれた。

お絵かきでテンションが上がったのか、そのうちに数人が周りを走り出し、それを追いかける子たちでとても賑やかになった。
女の子は色を塗り続けている子が多かったが、ある子が向かいの子に違う色のクレヨンを渡すために転がしたところ、受け止める側の子も転がして返し、
そこからそれが周囲に伝播して″クレヨン転がし大会″のようになった。私のところにもたくさん転がって来るので、負けじと転がし返してしまった。本当に、どんなものでも遊びに変わってしまうんだなあと感じた。

新しい紙が用意された。今度は少し表面がザラザラした紙。色とりどりの絵の具が入ったカップに指を入れ、紙の上にぺたぺたと手形がついていく。はじめは指先だけだったのが、だんだんと手の平全体をつけるようになり、そうこうしているうちに足まで絵の具につけて走り回っていた。
今度の紙は、はじめのクレヨン画よりも更に凄いスピードで埋め尽くされた。紙の上だけでは収まりきらず、子どもたちは自分の体全体に色を乗せて遊んでいた。パワーいっぱいで顔や髪、パンツにまで絵の具が付いてしまっている子も居た。そしてどの子も、絵の具まみれの両手両足を誇らしげにこちらに見せてくれた。

この日のチームメイト(左から): ボランティアYasuさん、事務局Naoちゃん、ボランティアSatoちゃんボランティアShinさん、MAYA MAXXさん、宮城チームリーダー小関さん、園長先生、ボランティアTerumiさん、宮城チームリーダーさとみさん、ボランティアRieさん

震災によって、たくさんの恐ろしさ、不自由さを味わってしまっただろうと、思う。けれど、人なつこい子どもたちからはそれを微塵も感じさせない程のエネルギーが満ち溢れていた。

Written by ボランティアスタッフ Rie

うず高く積まれた瓦礫の山。
4階建てのマンションほどある。
泥まみれの更地が、すべての山の麓まで広がる。
海は雨にまぎれてグレーに滲んでいる。

しめやかな筈の海が、突然陸地にやってきた。街を消滅させ、人をさらって行っていった。

起きたことは、社会の常識とか、人間の理解をはるかに超えている。胸が締め付けられる、すさまじい現場。

陸前高田の避難所で突然1000食もの食事を朝昼晩作ることになった高田第一中学校避難所の河野さん。

自身が経営されていたお店も流され、母親を亡くし、その心の辛苦は計り知れない。だけど黙々と食事の準備をするその姿に励みを貰う。

俺が励まされてどうすんだ?
体を壊さないように、がんばり過ぎないようにと祈ってそこを去った。

東京に戻ってから、出会った彼らを思い出す。
被災者の影には、大きな痛みと悲しみが。
みんな身近で大切な人を亡くした人ばかり。

柔らかな日差しと、心地よい風に吹かれ、
何の不安もなく、穏やかな時間が流れている。

笑い過ぎて渇いた喉に、冷たい美味しい水。
そんなひと時が早い時期に彼らに訪れることを祈りたい。

written by マイケル

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