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かねてからお話を伺っていたWAPのArts For Hopeの現地活動にやっと参加することができました。
はじめに高橋さんをはじめとしたスタッフの皆様にお礼を申し上げます。
貴重な体験をさせていただき、ありがとうございました。
また、活動の重みを肌で感じ、日々このお仕事に奔走されている皆様に尊敬の意を表します。
子どもたちは、本当にエネルギーのかたまりそのものでした。
これは世界共通ですね。
南相馬市では外で自由に遊べない状況が続いていますが、
与えられた環境の中で、無意識とは思いますが、
子どもたちがありのまま、満面の笑みを向けてくれたこと、
手を握り合ったこと、見つめ合ったことが忘れられません。
空いている時間を活用して、高橋さんは海辺の津波被害に合った地域も案内して下さいました。
すでにがれきも片付けられ、夏を越えて緑がチラホラと地面を覆いはじめていたので、
震災直後に比べたら良くなったというのは見てもわかりますが、
やはり、初めて目の当たりする私には衝撃でした。
この状況が宮城、岩手、青森と続いているのかと思うと、気が遠くなる思いでした。
私はNPO法人熱帯森林保護団体という団体に所属しており、
毎年ブラジルはアマゾンを訪れ、密林に覆われていたはずの場所が、
地平線まで続く開発の景色になってしまった風景を見続けてきました。
殺伐とした空気は、ブラジルのそれととても共通するものを感じましたが、
似て非なる点がもちろん多く、それに対してまだうまく言葉が見つかりません。
とにかく車を運転しながら、息が詰まりました。
八沢幼稚園は17カ所から園児たちが集まっており、
先生が「やはりまだ日常、という感じはしませんね」と柔らかくおっしゃった言葉が印象的でした。
お風呂屋さんでも地元の女性たちが生活環境の変化や地震の影響でストレスを抱え、
体調を崩したことを何となく話しており「とにかく元に戻ってほしいよね」とお話していました。
南相馬市の学生たちも家族ごと、2/3ほどは市外に出てしまっており、
残された家族、子どもたちにできることをと奔走されている方がたくさんいらっしゃいました。
街の明かりは隣の相馬市に比べると少なく、通りを歩く子どもの姿はなく、日常と非日常が混在しているような不思議な空気でした。
どこもかしこも柿がたわわに実っていましたが、放射能のため、
どこのお宅も収穫はしていませんでした。
町にいながら、その地の水も飲めず、津波以外にも原発の影響がどのくらいあるのか、
いつまで続くのか、という見えない壁は、現場では予想以上に大きいものでした。
津波、原発、それらの影響問題、言葉を並べればいくらでも出てきますが、
それよりもまず子どもたちがいる限りAFHのワークショップをどんどんしていかなくてはいけない、とその想いだけでWAPの皆さんは動いていて、動かされているのかな、と思いました。
現場にこれだけ足を運ばれていたら、もう、
止まってあーだこーだ言っていることほど時間のもったいないことはないと
感じられているのかもしれません。
なぜなら子どもたちにとっては、大人の難しい問題は抜きに、
今この瞬間も同じ毎日が続いているからです。
こういった活動は何よりも「継続」が一番大事であり、ときには困難であると思います。
私もまた、チャンスがあればご一緒したいですし、
より多くの方が一度でも二度でも、肩に力を入れすぎず、継続できることを視野に入れて
AFHをみんなで支える、続ける力の一つになれたらいいのではないかと思います。
written by 熱帯森林保護団体 (Click!) 白石絢子(パイングリ)