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南相馬で感じたこと(AFH / 11月8日~10日)

今回、ARTS for HOPEに入って初めて遠征活動に参加しました。

被災地に赴くのは初めての事だったので、色々な思いを巡らせながら南相馬に向かいました。

今回はアーティストの後藤朋美さんをお迎えしてのワークショップの第二回目。3日間で幼稚園や児童クラブ計6ヶ所を回りました。

最初は緊張した面持ちでやって来て、私たちとの距離を量るように様子を伺っていた子どもたち。

でも風船やシャボン玉を体いっぱいに楽しむことで体と同時に心も解れるのでしょう、絵を描く頃にはスタッフやボランティアの方を取り合うようにして、僕の、私の絵を見て!一緒に描こう!と人懐っこい笑顔で話しかけてくれるのは、どの施設の子どもたちも同じでした。その笑顔を見るたびに、私の方が元気をもらい、幸せな気持ちでいっぱいになってしまいました。

最初に訪れた上真野幼稚園では昼食の時間にも関わらず、子どもたちが帰る私たちを見つけ、教室ギリギリのところまで飛び出して姿が見えなくなるまで手を振って見送ってくれました。その姿に、私は涙をこらえることが出来ませんでした。

その後、空き時間に訪れた沿岸部とその近くの町の様子に、それまでの気持ちは一転、私は言葉を失いました。そして同時に、ニュースなどでその様子を知っているつもりになっていた自分を本当に恥ずかしく情けなく思いました。

でこぼこの道、津波被害に遭ったまま手付かずの家、田んぼに打ち上げられた船、静かに土ぼこりを上げながら瓦礫を運ぶ何台もの大きなトラック…そこには私たちと同じ空と陸で繋がった土地とは思えない光景が広がっていて、正直記録として写真を撮ることにも戸惑いを感じました。同時にどうしてこんなことになってしまったんだ…とやり場のない怒りを覚えました。

プログラム終了後、先生方とお話できる時間を設けて頂いた施設も多かったですが、その度にとても印象的だったのが、どの施設の先生方も明るく、時にはユーモアを交えて近況を話して下さり、こんな出来事が起こってしまったけど、その事で些細なことでも幸せと感じられるようになったんですよね、と決して現状を憎むことなく受け止めていらっしゃる強い姿でした。

そのような気持ちになるまでには、どれだけの暗い闇を、高い壁を乗り越えていらしたんだろうと私が安易に想像することも憚られますが、被災地の方々がその思いの長い長い道を辿りながら、お聞きしたような前向きな気持ちで日々を暮そうとされていることは、これからの復旧・復興を進めていく中で必ず良い結果をもたらしてくれるだろうと感じました。

奇しくも私たちが東京に戻ってきたのは震災から丁度8ヶ月経った日。

初めて訪れたこの遠征で感じた様々な思いを決して忘れることなく、これからのARTS for HOPEの活動を通して被災地の方々と真摯に向き合っていきたいと思います。

Written by Origa

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