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道を隔てて

開通した道

再開準備を進めるガソリンスタンド

12月13日に東京を出発し、宮城・福島・岩手の3県を回り活動を行ってきた。

足を運ぶたびに舗装された道路が増え、交通が便利になる。
商店が増え、買物が便利になる。
笑顔が増え、人との出会いが広がっていく。

徐々に活気を取り戻しつつある東北のように私の目には映っていた。

しかし大通りから一本細い道に入ると、まだまだ震災当時のままの家々や名残が目に付く。
土で汚れたままの乳母車。おばあちゃんの買物カート。
彼らの持ち主は今、どこでどうしているのだろう。

今回の遠征では、小学校を中心に回り、授業の一環として活動を行ってきた。
笑顔で迎えてくれる子どもたち。友達とふざけあいながら、作品を作り上げていく。

とってもカラフルできれいな絵。
オリジナリティーがあって、とっても素敵な作品だ。
そんな中、シャボン玉の中に、机に向かい合う1組の夫婦を描いている子がいた。机の上にはランプが光り花瓶には花が生けられている。でも色はグレー1色。
「これどうしたの?」と私が聞くと
「こんな風景が見えたんだ。本当だよ」
と真顔で答える男の子。
次の瞬間には色とりどりのシャボン玉を友達と笑顔で書き込んでいた。

その横ではシャボン玉の中に福島を書き入れ、頑張れ!と書き添える子。

笑顔の中に隠れている危うさは、私の中で大通りを隔てた被災地の風景と重なって見えた。

2011年、大通りは様々な人々のたくさんの努力で思いで通行可能になってきた。
2012年は一本隔てた細い道も美しくなっていけばと願っている。

written by nao

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