福島県

福島県で開催されたプログラム

 福島県相馬市 沿岸付近

5月2日の夜、福島へ向けて発った。
ARTS for HOPEの次なる活動が待っている。
今回は、AFHの事務局メンバーでもある若林さんと
児童心理士の神田さんが同行されることになった。

そして東京にいながら沢山の温かく心強いサポートをして下さる皆さまの
山盛りの愛情と善意を一緒に運んでいこう!

東北自動車道へ入ると急に混んできて、サービスエリアも満杯。
パーキングのスタッフは夜を徹して誘導にあたっていた。
ボランティアなのか観光なのか、車のナンバーを見ると全国各地から集結している。

高速を出る最後のサービスエリアで車を止めて仮眠。

早朝、車の中で野生的な朝食を済ませ、まずは相馬の沿岸地域へ向かう。
今日これから相馬2ヶ所の避難所を訪れる前に
どんな場所から避難してこられた方たちなのかを
今回初めて同行される方たちに知って頂きたかった。
避難所は比較的内陸で、そこを訪れただけではダメージの大きさに気づけないのだ。

被災の様子は、報道で十分認識しているつもりでいるが、
その現場に立って、自分の目で見る感覚は別物だと思う。

それにしても暖かい。
ここ東北でも、今日は気持ち良い5月晴れ。


避難所の中の不思議空間                冗談や体験談が飛び交う

中学校へ着くと、受付のボランティアさんと、実施場所の相談。
ここでは各部屋仕切られた居住部分中央の学習室に決定。

材料を運んで準備の途中から、「何すんの?」とおばあさんが寄って来られ、
ご案内のアナウンスをする間もなく、もう始まっていた。

考えてみれば不思議な光景だ。
ちょっと前まで会ったことが無い私たちと、
よそよそしかった避難所の人たちが一緒に、針を動かし井戸端会議をしている。


頼りになるお姉さん                     やったー!完成!


すてきなバラができました!                それどうやって作るの?

途中から参加された方が、瞬く間に優雅なバラを完成。
みんなにほめられて満面の笑顔です。
「それ、どうやって作るの?」の声にお応えして、
早速講習会が始まりました。


10分で針山を作った早業の達人             お母さんやおばあちゃんへ

どんな状況でも笑顔は生まれる。

どんな状況でも希望は見つかる。

Written by Masako

バリ堅ラーメンランチ

午後からは小学校へ移動だ。
今回で2度目の訪問先なので、子どもたちに会うのが楽しみ。

しかし、その前に腹ごしらえ。
荷物を積み込んだ車の荷台は、キッチンやベッドにもなる。

おなかがペコペコで3分も待てない私たちは、
史上最堅のラーメンをワイルドに食し、
最後の一滴までスープを飲み干した。

 ボクだって針使えるよ

みんな夢中

お母さんのために作った枕

ここでのプログラム実施場所は、食事の配膳コーナーに決定。
準備を整えるとぽつり、ぽつり
子どもやお母さんたちがやってきて、
そのうち大賑わいになった。

小さい子も、お年頃の子も、
男の子も女の子も、
お母さんもおばあちゃんも。
みんな一緒に作る。

外から誰か帰ってくると人が入れ替わり
絶え間なく続いた。

おかあさんたちは可愛い物が好き

子どもは天才だ

真剣に考えて書いた願い事 

人を助けたいという、りおちゃん

 

 

子どもたちの願いは本当にまっすぐで、

いっしょうけんめいだ。

そして、おなじみのなぎさちゃんも帰ってきた。
今日は久しぶりに温泉へ行って来たと言う。

あいかわらずサービス精神旺盛で、
避難所に届いた全国各地、海外からのメッセージなど
紹介してくれた。

そしてお別れにくれたのが保育園で作ったというカード。
ここにも例のメッセージが書かれていた。

「ふくしまをなおそう」

written by Masako

アーティストの荒木珠奈さんと一緒に、紙版画のワークショップを
相馬市の小学校でやることになった。
女の子たちの細工は、墨で塗るにはもったいなかったので
版画ではなく、かわいい貼り絵の作品になった。

男の子たちは代わる代わるのぞきに来たが
男の子の遊びに戻って行ってしまった。

何も起こらなければ、小学生の時分で
暮らす土地の素晴らしさに気づくことは
あまりないのに、女の子たちのメッセージには
土地の名前が当たり前のように書かれていて
おとうさんもおじいちゃんも波と一緒に天国に行ったのだ、という女の子は
福島のことをすごく考えるようになった、と言った。


おとうさんとおじいちゃんをなくした女の子は「福島をなおしたい」と何度も言った


なぜだか嬉しいことに、スタッフの背中にも一生懸命メッセージを書いてくれた

written by Yui

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