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大事にしていたものも、あまり大事にしていなかったものも
そろそろ捨ててしまおうかと考えていたものもあったに違いないが
生活を穏やかに取り囲んでいた全てのものが消えてしまったので
お母さんたちは実用的なものが作りたいのだと日用品を縫った。
記憶をまとっていたものが「何もない」という事実に
その風景の中で暮らしていなかった自分の想像力は
どんなにかき集めたところで、多分追いつくことはない。
ゆるやかに形成された共同体で、福島からただ一人やって来たおばあちゃんも皆と名前で呼び合っていた。今頃、半数の人が仮設住宅に移っているそうだ
一眼レフを抱えて東北の豊かな風景を歩いていたみのるさんに唯一残ったのは、宮城県の道路地図と大きな虫眼鏡
written by Yui